2014年5月15日木曜日

管理人について

どうもです。

日本在住のウクライナ人(♀)です。

以前は、「すももんちょ」というふざけた名前で
「ウクライナから愛を込めて」というブログをしたり、
「OREO。俺男」という更にふざけた名前でミクシィをしたり、
「カングさん」と言われてゆーちゅーぶでビデオブログをしたり、
他にもいくつかあるわけですが、とにかく、
ブログを作っては放棄するような人。

もう二度とブログを始めるまい、と思っていたのですが、
最近は母国の状況を見ていると、心が痛み、
頭の中で言葉がくっつき文ができる。
それを書きたくて、指先がかゆくなる。

ここでの名前は「ぽんず」にでもしときましょうか。
(知り合いにはすぐばれると思うけど。)


ここ1カ月ほど、テレビからの映像翻訳の依頼が殺到。
本来ならウハウハで嬉しいはずだが、内容が内容なだけに、
各依頼が重く体心に応える。

ここ1カ月で、テレビの報道力にがっかりした。
いや、イメージを植え付ける力は最強だとは思う。
でも、真実を見せてくれることには全く期待しなくなった。

制作側に悪意があるわけではない(と思いたい)が、ウクライナ人のくせに、
自ら作業に加わっておきながら、これでもかと思うくらいに、無力なのだ。

日本にいるとわからないと思うけど、ロシアが長年培ってきた
プロパガンダマジックに、客観性を誇る日本のマスコミも、
まんまと引っ掛かっている気がする。


自分で材料を選んで翻訳し、発信を試みた。
しかし、労力と時間を食われる割に、伝わる範囲はわずか。
それに、状況が複雑なだけに、よっぽど興味がなければ付いて行くのは大変。


だからたぶん、今の状況を正確に掴んでいただくことは、
ほぼ不可能なんじゃないのかな。



では、何ができるのだろう。


たぶん、
自分の心の内を晒して、
ウクライナ人を、人として見てもらうことしか、
できないのかも。


今の気持ちとしては、
「悲しみ」、
国から離れていても、
いや、
離れているからこそだろうか、
毎日の隅々まで染渡っている
悲しみ」がある。


「暫定政権」「制裁措置」「親ロシア派」
「迫撃砲」「装甲車」「地対空ミサイルシステム」

こんな日本語なんて覚えなくても済むような人生を送りたかった。


朝毎「何か、恐ろしいことが起きていないか」とネットを開く毎日には疲れた。



「オデッサ、46名死亡」と見ても「46人か~、きょうは多いな」としか思えなくなった自分には呆れる。



もう一つは、ロシアに対する
心の底からどす黒い煙を立てて湧きあがる
憎しみ」がある。


まともな人が聞けば「そこまでひどい嘘などつけるわけがない」としか思えないような
嘘を、それも嫌悪に満ちた言葉に包み発信しているロシアンプロパガンダや政治家たち。
日本ではその毒々しさがほとんど見向きされない。


特集を組んでいるテレビ局でも、ロシア報道番組の言葉をそのまま訳すと
「へ~、ウクライナ暫定政府を軍事政権って言ってんだぁ」と興味を示すくらいだが、
2か月前から"junta"「軍事政権」と言われ続けることによって、東部の人たちやロシア中が
暫定政権は非合法なもので軍事政権であることを信じ込んでいる。

たった一つの言葉でこのザマよ。

他の言葉も全て偽りで溢れているのに。


訴えても「自分に不都合な言い方されているから不機嫌になっているだけだろ」と思われる。

「ぽんずのヤツ、また何かイラついてやんの。」


無力なのに、疲れた。



一番近しい友だちがロシア人で。


いろいろ理解してくれロシアをかばったりすることはめったにないけど。


今、一番人に聞いてほしい「ロシアがこんなに悪いんだ!」という話は、
相手の祖国だから、できない。

本人がやったんじゃないんだから、怒りをぶつけても仕方がないし、
万が一反論されると、関係が壊れそうで怖い。


近しい友だちとも一線を置くようになり。
平和に生きる(ように見える)人たちに囲まれて
一人だけ影を背負っている自分にも飽きた。

いやな孤独感である。


悲しみ」「憎しみ」「孤独感

これくらいは、ウクライナ情勢の詳細がわからなくても、
わかってもらえるだろうか。



伝わ~れ~……。

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